ひと昔映画日記

素人の映画雑食日記 それこそ我が映画道

ヒート(1996)

監督:マイケル・マン

観たのはちょっと前だけど忘れないうちに書いておきますか。

アル・パチーノとデ・ニーロの2大巨頭の競演。
豪華だねー
二人とも初老ちょと前くらいの時だろうけど、カッコいいこと。
たとえ内容がつまらなかったとしても、それだけの目的で観て損は無い。
時間的には結構長い映画だけど、メリハリがしっかりあるので退屈しなかったわ。
複線については無難さが否めないけど、そつなく納得の行く範疇で回収されている。

いや、それでいい気がする。
脇が地味目な方が主演の二人の演技が際立つというものだから。


パチーノは刑事、デ・ニーロは犯罪者という役柄なので対立する形なんだけど、どちらも相当なキレ者という設定。
プロとプロ、男と男の勝負。
プチハードボイルドでフィルム・ノワールの雰囲気もある。
ストーリ展開はさして特別なところは無かったが、普通に楽しめる範囲だし何よりこの映画の見せ場はそこではない。


↓以降ネタばれ
この映画はそんな二人の心理戦をメインに進むのかと思いきや、後半は市内でのど派手な銃撃戦があったりして、静と動がきっちり棲み分けされている。
銃撃戦のシーンは時間的にもたっぷりでかなり見ごたえある。
音が足されているので、迫力が半端ない

犯罪者と刑事という決して相容れない立場の二人ながら、似たもの同士であるが故かいつしか互いを認め合い、奇妙な情が湧き上がってくる様をこの演技派の二人が実にクールに演じてくれる。
しかしクールなだけじゃなく、どちらも気が短くすぐキレるw
そんな大人気ないところまで似ている二人。

お互いに面割れした後、犯行前の尾行中に直接接触するシーンがある。
もう相手が誰であるか理解し、デ・ニーロも暗に自分が犯罪者であることを認めた上で、
次に証拠が挙がれば確実に逮捕されるという状況の中、お茶しながら対峙する。
相手の内に自分自身を感じながら、静かに語らうシーンは圧巻であるよ。
実に用心深く、頭のキレる二人ならではのことの運びは一見クールでありながら、同じフィールドに立つ認め合った男同士だからこそ実直で偽りの無いひと時。
頭の良いチームリーダーであったし、それ故足元をすくわれる様な言動は見せなかった二人が本来の人間らしさ吐露し合っているかのようで、哀愁さえ漂っている。

展開からいって、デ・ニーロ側が勝ち逃げすることはないだろうと思っていたけど
結末が刑事の勝利なら・・・・
ちょっとだけ残念と思いながら観ていた。


本物の役者の真髄をご堪能あれ。な映画でした。


総評:☆☆☆☆
物語:☆☆☆
演出:☆☆☆
映像:☆☆☆
音楽:☆☆☆
役者:☆☆☆☆☆

<ジャンル>
クライム

<お奨めの気分>
ハードボイルドなクライム映画が見たい時
後、時間長めだからたっぷり時間取れると時