ある意味リアルヒーローだな。
リアルってのは、生々しいっていうかそういう意味で。
本来自らこの手の映画を手に取ることなんてまず無いんだけど、何時も読んでる映画評論家のブログでおすすめされていたので観てみた。
結果、いい意味で期待を裏切ってくれたわ。
好きかも。この映画。
まず、オープニングのアニメーションがGood。
ポップな色使いにちょっと下手くそっぽいタッチで、且つグロいw
このアンバランス感が堪らなくツボ。
こりゃ期待できるかも、、ワクワク。
オープニング最後で疲れちゃってる感じも本編でのヒーローぶりとリンクされてる感じでいい演出だった。
あの時は、なんの意味かよくわからなかったけど。
妄想全開だけど善人で且つ冴えない主人公。
人生で完璧だった瞬間が2つだけあるらしい。
①素敵な嫁と結婚できたこと
②通りで警官に泥棒の逃げた方向を教えてあげたこと
それ以外は一切いいこと無いのだそうです。
大事な嫁を売人に横取りされてしまい、そこから妻を取り戻す為にヒーローになることをリアルで実践してみましたな映画なわけ。
ヒーローものではあるけど徹底してリアル。
誰でもやろうと思えば(思えばね)チャレンジ可能なヒーローものなんで、当然超人的なことは一切起こらない。
インナーワールドではおかしなことが沢山おこります。
そういう人ですから。
しかし、それだってある意味リアルなんだよね
彼にはそう見えている(というかそう感じてる)ことは事実なわけだから。
いいねー。
そのコンセプト。気に入った。よし来い。
↓ネタバレ
実際、序盤は失笑の連続なわけだ
この映画は一体どこを目指してんだかってところもあり。
ヒーローになるためまず初めに実践したことが
コミック店にヒーローものコミックを買いに行くところからのスタートですw
次に、最初に手にしたコミックに従ってウォーミングアップとして小者を襲撃する。
だが反省。
反省の理由→そのコミックに載ってたヒーローは武器を持たないヒーローだったので、
リアル戦闘に向いてない。
そこで、改めて武器を所持して戦うヒーロー探しに再びコミック店へ足を運ぶ。
こういう一見どうでもよさそうなところに執拗にこだわる感じ好き。
途中トレーニングしてるっぽい映像がちらりと入ったりしたから、肉体改造か??
と思ったけど、結局別に変わってなかったw
そういうのが仰々しくなく控えめな感じで散りばめられてるのもよかったなぁ。
そのさりげな無駄打ちも、またツボであったのでした。
んで、コミック店の店員が未来のパートナーであったりする。それもまた巡り合わせか。
この子がまた強烈だ。
自らも相当なマンガオタクな設定の為、顔は可愛いんだけど相当ぶっとんでる。
かなりマイペースで強引な感じが、内気で冴えない主人公とのデコボコっぷりを増長させていて絶妙。
いい演技してたねーこの子。
素晴らしくはまり役だと思います。
現実的に考えるとやりすぎだけど、こういう系統の子っているよ、いるよって思う。
自分がそばにいて振り回されるのは嫌だけど友達の友達くらいにこういう子いたら面白い!って感じ?
そして、いち早くその謎の自称ヒーローが主人公であることを突き止めてしまうわけだ。
普通はそれ気づいたら警察に相談とかの選択肢なんだろうけどねw
この子はそういう子じゃないよな。
知ってた知てった。
案の定。
手伝いたいって言ってきた。
やっぱそうくるよねw
暫くの間、予行演習とばかりに小者退治をしていたが、そのやり過ぎぶりからどっちが犯罪者なんだかわからないようなことになってくるw
世間じゃすっかり変態通り魔的な扱いを受けることにもなる。
ま、当然そうなるさね。
オープニングアニメでの予告通りグロいシーンも多かったけど、なんか妙なバランスが面白い映画だったな。
基本ブラックコメディ路線なんだろうけど、ある意味人間ドラマでもあり究極にピュア過ぎるとこうなってしまうのかもという悲哀のようなものまで感じるわけ。
それでいて、最後にはほろ苦い後味と彼を通しての幸せ、平和の姿が描かれていたりと。
なんだかなぁ。
ちょとばかりキュンとしちゃったじゃないすか。
正直途中までは、偶然が偶然を呼んで最後はこの冴えない中年が担がれヒーローになってめでたし路線かといぶかったりしたんだよね。
でも、そんな単純なことじゃなかった。
ごめん。
総評:☆☆☆☆
物語:☆☆☆☆
演出:☆☆☆☆
映像:☆☆☆☆
音楽:☆☆☆
役者:☆☆☆☆
<ジャンル>
なんだろうなー
コメディ(かなりブラック寄り)かな
<お奨めの気分>
シュールでおバカなコメディが観たい時用