ひと昔映画日記

素人の映画雑食日記 それこそ我が映画道

ダークナイト(2008)

やっとここまで来たよ。

待ってておくれライジング。

 

なんかこのセリフ言いたくない。けど・・・・。

ヒース・レジャーどエライことしでかしてくれちゃったね。

なんて安直な感想なの。。でも、しゃーないわ。

 

クリスチャン・ベールだって、相当役作りはストイックだって聞く。

悪くないよね。

だけど、これやられたら、ちょっと、クリスチャンに同情したくなってくるわw

よく役が乗り移ったような演技なんて言ったりするけど、いやいや。
そんなレベルじゃねーなこりゃ。
役に乗っ取られてるよw
完全に占領されちゃってるもの。調子悪くなるだろーさ、、、
 

ジャック・ニコルソンバージョンを凌駕しちゃったすね。

ジャックの演じたジョーカーもインパクトとしてはデカイものがあっただろうし、演じてるのが名優中の名優となれば、そのイメージや名前がこの役にゾンビのように憑りついてるも同然だよ。

真似事じゃ決して越えられない、ひと月も自らを隔離して作り上げてきた成果が見事なまでに開花したのだ。

ジョーカーって芸術家みたいだなってふと感じたりもした。

犯罪や人の命なんて彼にとっては瑣末なことのようだ。

罪悪でもなけりゃ狂気でも、快楽でも無い。

勿論善でも。

 

かといって無感情にただ殺戮を繰り返すだけの犯罪者とは違う訳で、そこがなんか、引き込まれるというか、自分の欲望をあれだけあからさまに周りも巻き込んで実現しようとするところに、語弊があるかもしれないがある種の素直さのようなものを感じるというか。

 ただひたすらに作品を完成させようと黙々と作業に打ち込む芸術家みたいだと思った。

目標が絶対でいて、ブレないのでその過程のことなど、全てが必要だからというだけ。

だから、ずっとまっすぐなんだ。

この部分の真っ直ぐさが、タダの悪党との最大の違いみたいな気がする。

 

あんなに凶悪で残忍なのに、受ける印象は実直、、、というなんだか恐ろしい矛盾が生じているのだが、そう感じるんだからしょうがない。。。

そこがすごい。

あのさ、口が裂けてる痕があるじゃない。

あれね、最初にあの傷が出来たエピソードを話した時さ、まんまと騙されたよね。

あ、この人、幼少時代に、、、

なんて思わされちゃってさw

ったく。

2回目は涼しいカオで全く違うこと言ってるわけw

 

遅いかもしれないけどあの辺りからちょっとこれタダのサイコな人じゃなくね?と思い始めた。

鈍くてごめんなさい。

 

なるほど、アレックスをモデルにしてるのか。いい線だ。

 

さて内容の方はというと前作同様、いい部分と??な部分の差を感じるのがちょっと残念。

キリアン・マーフィ、無理して出す必要ありましたかね

なんかの伏線か?と思ったのに全然違うじゃないのよ!

いやでも、3作目でなんか1つになるのかもしれない。

最初から3部作前提ならまだわからんか。 

 

個人的に、バットマンの素手のアクション部分が要らないw

あれ、ちょっと間延びするからやめて欲しいわ~

 

しかし、それも全体から見れば小さい話だ。

既に伝説としてスタートしてるのだろうな、きっと後50年もしたらクラシック映画の名作の筆頭としてあげられるようになるのだろう。 

 

音響はアカデミーを受賞しているだけあって、結構ぎゅーとなる。

良い意味で不安を煽られたので効いたみたいだわ。

 

この作品は単にバットマンVSジョーカーじゃないところが面白いんだろう。

バットマンが影のヒーローなら、デントが表のヒーローという位置づけになるんだろうが、その二人が表裏一体一枚岩で協力し合うような関係なら絶対つまらなに作品に収まってるだろうと思った。

彼らの間にも大きな確執が存在していてる。

ゴッサムを守りたいという気持にはお互い偽りは無いので、綱渡りな状態でもギリギリのとこで牽制し合いながら協力関係を保ってる。

そこにジョーカーという起爆剤とも、粘着剤とも言えるような存在が放り込まれることで、トライアングル綱引き状態になってくるのね。

 

守ろうとすればするほどにその領域を侵そうとする存在もまた大きくなる。

バットマンが強ければ強いほどに。

毒を以て毒を制するという手段を選択した時からこの宿命からは逃れられなかったのかもしれない。

やられたらやり返せ。

それを繰り返す先に待っているものは一体なんだ?

 

ぶっちゃけ、バットマンなんてアメコミ原作だし、どうせアメリカンヒーローものだろうと目もくれてなかったんですよ。

ほんとすんませんでした。

 

でも、ヒースだってビギンズのオファーがあった時、自分と同じような理由で断ったってなんかで読んだよw

やっぱ、そういう先入観っていつの間にか壁になっちゃってるんだよね。

そういうイメージの強い題材をここまで独自のカラーで作り上げる熱意には感服いたします。

全く別物なのにバットマンであること自体からは逸脱してないという、もう離れ技ですよ。

 

アクション映画が守備範囲ではない自分がこれだけ楽しめたのだから、満足でした。

けど、個人的にはメメントの方が好きですがね。 

 

総評:☆☆☆☆

物語:☆☆☆

演出:☆☆☆☆

映像:☆☆☆☆

音楽:☆☆☆☆

役者:☆☆☆☆☆

監督:クリストファー・ノーラン

 

<ジャンル>

シリアスクライムアクション、社会派ドラマでもあるし、ヒーローものでもある。

色々だね

 

<お奨めの気分>

前作同様かなりシリアス路線なので、ずっしり目の雰囲気や話がOKなら 

 色んな楽しみ方があるかと。

普通にアクション映画として観るもよし、ヒースの演技を楽しむもよし、迫力のある映像や音楽目当てもあり。

ストーリーを深追いして色々考察してみるもよし。