ケン・ローチ監督によるハートフルコメディ。恋人と生まれてくる子どものために人生をやり直そうとしていたロビーはトラブルを起こし社会奉仕活動を命じられる。彼は現場の指導者でウイスキー愛好家のハリーと出会い、テイスティングの才能に目覚め…。 (詳細はこちら)
テアトル銀座。
明日で閉館だってさ、まだいけそうなのに残念だ。
最後のロードショーはケン・ローチということで、これは行かないとね
駆け込みセーフ。
「天使の分け前」
酒造りの用語で熟成中に蒸発して無くなってしまう分のことを、そういうのだそうだ。
なんだか慈愛を感じる素敵な言葉じゃないですか。
ケン・ローチのコメディラインは初めてだったけど、そこピンポイントだとど真ん中ではなかったかな。
けど、彼の描く人の有り様はいつだって好きだ。
些細な事で暴力沙汰ばかり起こし、なかなか社会に適合できない青年ロビー。
そんな彼にも信じられる恋人とその恋人の間に子供が生まれる事になり、なんとか心を入れえようというタイミングで、ハリーというおっさんと出会う。
ハリーはロビーがボランティアに従事する為に送り込まれた先の管理者みたいな人なで、このおっさんがパッと見は太っちょの冴えない感じなんだけど相当かっちょいい!
主人公に子供が生まれた事を知ってかけた言葉が「おめでとう」じゃなくて「嬉しいよ」だよ。
ヤバいよね、知り合って2,3日目くらいの子に対してそれ言えちゃうの?
器は底なしか?
そんな風に受け止められて、自然にその言葉が出てくるのってかっこいいなぁ。
そしてさ、ロビーもまたその信頼に答えるように、同じ過ちを繰り返すまいと頑張るんだよね。
いいよね。
0と1は違う。
ま、恋人の前じゃかっこもつけたいだろうけど、掛け値なしの大人の男が自分を信じてくれてるって思えるのってどれだけ力になることだろうか。
そうしてロビーもまた掛け値なしの感謝の気持ちを残していくわけだ。
↓ネタバレ
実際、あの子達がやってる事って犯罪には違いないんだろうけど、なんか憎めないよね。
ほんとは、ちょっとハラハラしちゃった。
せっかく立ち直りかけてたのにここで犯罪に手を染めてまた繰り返すのか?と。
そんな自分の心配は取り越し苦労だったようで、しっかりといい土台を築いていたらしい。
元々賢い子だったのね。
度のキツイいたずらくらいの感じかw
ローチは常に社会の根底を生きる人々を描き続けているけど、そういう意味じゃ今回も確かにそこの枠は逸脱してない。
だけど、今回はみんなちゃっかりしてたね、こう言う微笑ましくてふわっとしてるのもいいな。
そもそも別物混ぜ込まれて至高の逸品とかなんとか言っちゃってるくらいの相手だw
やっちまえって感じ。
モノの価値って誰が決めてるんだろうね。
5万円のディナーは美味いから5万なのか?
5万だから美味いと思い込んでるだけなのか?
高かろうが、安かろうが好きなものは好き、合わないものは合わないそう言える自分でありたいであります。
映画も同じだわね。
総評:☆☆☆☆
物語:☆☆☆☆
演出:☆☆☆☆
映像:☆☆☆
音楽:☆☆☆
役者:☆☆☆☆
監督:ケン・ローチ
出演:ポール・ブラニガン
出演:ジョン・ヘンショウ
<ジャンル>
ヒューマンコメディ
<お奨めの気分>
ネバーギブアップ、くじけそうになった時に