ひと昔映画日記

素人の映画雑食日記 それこそ我が映画道

夏休みのレモネード(2001)

ベン・アフレックといえば、この前アカデミーの作品賞をとったばかりだが、その彼が新人発掘の為に、親友のマット・デイモンとオンライン脚本コンテストを開催し、1万2千の応募の中から選ばれ、映画化されたのが本作。

 

彼ら自身がグットウィルの脚本を無名の頃に自分達で売込みをかけ、アメリカンドリームを実現し、今に至っているという経緯から、チャンスを掴みたい人達に機会をということなんでしょう。

 

テーマはズバリ宗教。

でた、苦手分野。

これ出てくるとほんとおいてかれるのだよなぁ。

きっと私に限らず大部分の日本人にはピンと来ないテーマじゃなかろうか。

それがそのまま映画の感想と繋がっちゃうのはもうショウガナイよね、ごめん。

 

だけど、この映画は主役が子供たちなので、宗教とは言っても彼ら自身がまだ造詣が深いという所には全然至ってない。

素朴な疑問や謎がいっぱいなんだよね。

そんな胸中を素直に大人達に疑問としてぶつける姿は宗教音痴の自分にはありがたい救済措置となった。

その点、ほかの宗教題材作品よりずっと入りやすい。

尋ねられる大人の側はというと、もっともらしい事ばかりを押し付け、何一つ肝心なことに触れようともしない(そういう大人の方が多い、みんなじゃないけどね)。

 

 

このお話は、キリスト教の少年が、自分の探求の為にユダヤ教徒の少年を改宗させようとするっていうのが一段の目的になっている。

そういわれても、ユダヤ教とキリスト教の違いが、、、全く分からない

と思いつつ、DVDを一時停止して調査。

ほんとざっくり過ぎる認識ではあるが、どうやらユダヤ教は現世信仰、キリスト教は、来世信仰(を含む)という違いがあるようだ。

 

ユダヤ教徒の少年は実は白血病で先が長くないかもしれない、というのをキリスト教徒の少年が知る。

そこで、キリスト教少年は、ユダヤ教少年がもし、その時が来たら天国に行けるように、改宗を試みると。

(前述通り来世、即ち天国なり地獄なり死後の世界があるとしてるのはキリスト教の方なので、ユダヤ教のままじゃ天国に行けないじゃんってことだ)

 

なんとか教に限らず、信仰ってなんだろうね?

という疑問にいろいろヒントをくれる、面白い作品だった。

それにしても子供ってほんと、無邪気で素直で、可愛いけど残酷だと再認識するわ。

でも、それはオブラートに包まないルーツの心というだけのことなんだよね。

 

もう一つこの映画では、父と息子の関係という部分もかなりクローズアップされていて、まぁ、見事にユダヤ教少年とキリスト教少年の父が真逆な人柄w

キリスト教少年の父は消防士で子だくさんで家計はちょっと苦しい。

性格は日本でいうと江戸っ子風?

気が短い、無駄にプライド高い、けど熱くて情も深い。

 

一方ユダヤ教少年の父は神父?じゃないかもだけどそういう関連の仕事みたいで、子供はその白血病の子一人。暮らしぶりは中の上って感じで、穏やかで、心が広く、理解がある。

 

愛情表現も全く違うのにどっちが良いなんてこもないんだなぁと思う。

どっちにも愛はあって、最後にはいい父ちゃん達だなって思わされてる。

 

個人的には、キリスト教父が、長男にビールを勧めるシーンが好き。

ああいうのを、積み重ねて父と息子って男同士になっていくのかなぁって感じ。

 

波の浅い映画だから、人によっては退屈かもしれないけど、じんわりと来るものがある。

良い作品だなって思った。

 

主役の男の子は可愛い演技でよかったね。

 

総評:☆☆☆

物語:☆☆☆☆

演出:☆☆☆

映像:☆☆☆

音楽:☆☆☆

役者:☆☆☆☆

 

<ジャンル>

ドラマですね、宗教ドラマ?

 

<お奨めの気分>

信仰について、よくわかんないけどちょっと覗き見してみたい