見捨てられた漢と捨てたくても捨てられない漢の友情というより共鳴のような物語
妻夫木聡と『チェイサー』のハ・ジョンウ共演による日韓合作ドラマ。日本の闇組織のボスに密輸品を運ぶヒョングと、彼のボートを出迎える亨。ふたりはある日、“荷物”として運ばれてきた少女と出会い、行方知れずとなった彼女の父親探しを始める。 (詳細はこちら)
妻夫木聡の出ている映画を観るのは殆ど初めてくらいなんだよね。
邦画あまり観ないもんで。。
それでもなんとなく、小奇麗な役が多そうなイメージがあって実際そうだったんだろうと思うのだけど、今回はヤクザの手下のチンピラという事だからね。
汚いセリフや乱暴な態度等も多いです。
そういう部分での初々しさみたいなものは感じてしまいましたが、今回の役には逆にそのくらいで良かったようなところもありますかね。
意外と言っては失礼かもしれませんが、なかなか良かったです。演技。
ギャップとジレンマが上手いこと噛み合ったような。
特に前半の何考えてるのかわからない謎めいた人物の演技はいいなって思いました。
後半に入って本心が露見するようになってからは若干好青年が顔を出し始めるのでちょっとずつ怪しくなってきてましたけどw
韓国側からはハ・ジョンウという役者さんが同じようにチンピラ役で起用されてますが、こちらは体もでかそうですがあの横柄でふてぶてしい態度といい雰囲気ありましたね。
二人共根は善人なんだけど、そんな事言ってちゃ生きていけない。
だからそういう本心の部分に蓋して生きてるっていう設定なんだけどね。
その辺りの空気感みたいなのはジョンウさんの方が良かったなぁと思いました。
不満や不安を抱いたところでどうにもならないんだって自分に言い聞かせてやり過ごしている物悲しさみたいなものが滲み出ていた様に思います。
一見すると真逆の環境に置かれているようにも思える二人だけど、実際はすごく近い場所で漂っていたわけで、そういうのを少しずつ肌で感じていくような、そんな自然な関係の育み方がなんともグッと来ちゃうんだよね。
話の展開としては目新しいものは無いかな。
↓ネタバレ
ヒョングが享に向かって、もし誰か一人捨てるとしたら誰を捨てるのか?
と問いかけてその答えを聞いた時、ヒョングは自分が捨てられた理由の答えを自分の中に見つけたのではないかと思うけど、どんな気持ちなんだろうか?
嫌いだから捨てられた訳じゃないかも知れないという安堵感と、「俺だって別に強いわけじゃないんだ」っていうやるせなさもあったのじゃないだろうか。
強いと思われている人程ほんとはそんな事なかったりするものよね。
だから、ヒョングと享がごく一部でも互いに預けられる何かがあったのであれば、ほんの少しだけ救われるような気がした。
※ヒョングがカラオケうろ覚えなのは笑った。もうちょい頑張れ。
ほんとは大事なシーンなんだろうけどそのせいでちょと集中切らしたわw
総評:☆☆☆
物語:☆☆
演出:☆☆☆
映像:☆☆☆
音響:☆☆☆
役者:☆☆☆☆
<ジャンル>
ファミリーありきの友情です、漢の友情です。
プチボイルド
<お奨め>
漢の友情好きは見て損はない。
妻夫木くんのいつもと違う雰囲気を味わいたい人にも。