ノンフィクション+α
「コンティキ号」とは、ノルウェーの人類学者、トール・ヘイエルダールが仲間と協力して制作した、マストとキャビンを持つ大型の筏のことで、この筏を使って1947年にペルーからポリネシアを目指して航海した実話を元にした作品。
動力を持たず、波と風だけを頼りに、日数102日間、航海距離約8000キロを旅する物語です。
ヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリ監督が実話を元に壮大なスケールで綴る海洋アドベンチャー。自らの学説を証明するために、古代の技術で再現した筏“コン・ティキ号”でペルーからポリネシアへ向かう航海に挑んだ男たちの姿を描く。 (詳細はこちら)
実話を元にしているので大筋としては事実で、ノンフィクションらしい、静けさや壮大さもあって良かったのだけど、一部映画としての間を持たせる為にニセのエピソードが盛り込まれているのはバランスとして微妙な感じが。。。
エピソードの捏造自体が悪いとは言わないのだけど、リアリティを追求した方が大海原を漂う恐怖感などはもっと伝わってきたのではないかなという気はした。
筏の上での生活感みたいなものも感じたかったかなというのもある。
食事のシーンなんかがあるとよかったなーとか。
ある意味恐ろしく開放的にな空間の中にとても小さな世界があるわけですよね。
見渡す限りの水平線や、満天の星空、地球の大きさを存分に感じられるのに、生活空間はあの筏の上だけで、顔を合わせるのも自分以外にたったの5人だけなのだから、その小さな世界をもっと感じてみたかった。
最後の方に誰かのセリフで「世界には俺たちだけみたいだ。」
みたいな事を言う人がいたんだけど、正にそれで、終盤にその一言で片付けちゃうのじゃなくて、それ自体をもっと見せてよ。っていう感じだね。
映像はとても美しい。
何気ない一幕でも見入ってしまった。
内容は別にしてそれだけでも見る価値はあるかなと思う。
セットなどではなく実際に海で撮影しているらしい。
フィクションの海洋冒険ものとは違って、ヒヤヒヤすることの連続!という感じではないので、映像を楽しむつもりで気軽に見るのも良いかなと思った。