割と最近の映画。
主演はケビン・スペイシーでデミ・ムーアなんかも出てるんです。
ベルリン映画祭にはコンペティションで出品されているし、アカデミーにも脚本でノミネートもされてるし、本国での評価も割と上々なのに、日本では劇場未公開でした。
ケヴィン・スペイシーほか実力派ハリウッド俳優共演で贈る、ウォール街崩壊の24時間を描いた金融サスペンス。大量解雇が始まったウォール街の投資会社で解雇対象となったエリックは、アナリストのピーターに意味深な言葉とUSBメモリーを託す。 (詳細はこちら)
なんせ圧倒的に地味w
全く華の無い作品であることは間違いないw
別にそれが悪いとは言ってない。(実際嫌いじゃないし)
でも、日本で公開されなかったのはその辺だろうかね。
2007年の世界金融危機(リーマンショックってやつね)を題材にしている映画なので、ひたすらシリアス路線。
架空の巨大な投資銀行を舞台に、明日にも倒産しそうな経営状態であることが突如発覚するという貧血で倒れそうな出来事が起きてしまった想定の作品です。
その時企業マンは何を決断してどう動くのか?
というところが主眼になっている。
偉い人もいりゃ下っ端くんも居て、当然板挟みの中間管理職の人も居る。
それぞれが自分や、会社、世の中の事を思いながら悪夢のような一夜を過ごす様子が描かれている。
倫理に背く決断を断行しようとするものや、それに反発するもの、自分の運命に苛まれるもの、世の中を憂うもの、考えることを放棄しょうとするもの、様々な人々の思いが短い時間にぎゅーと凝縮されているんですね。
世の中に影響を及ぼすような大企業に所属した経験がないので、個人的にはそのへんが興味深かった。
金融系でしかも大企業ともなると、世間への影響も頭に入れないとならんのね。
自分の勤めている会社が潰れたら世界も不景気になるなんて、恐ろしい、、、
世間よりひと足先に、世界の崩壊を知るような気分だろう。
どんな気分なんだ、知りたくもない。。。
↓ネタバレ
この映画自体は、リーマンを題材にはしてるけど一応フィクションなのね。
だけど、これはかなり事実に近いんだろうなぁっていう際どさとリアリティを感じます。
切迫した状況に対して上が出した結論ってのが、市場がこの事態に感づく前に不良資産を全て売り飛ばせ。という指令だったわけね。
ひょえぇ、、、だよ。
これって、犯罪じゃないんだってー
びっくりだよね。
いくら法に抵触しないからって、それって人としてどうなのよ?
こんなことやらかして、その後まともな精神でいられるのかよ。
恨みだってバーゲンセール並みに買うことになるじゃん。
もう、手に余るどころの騒ぎじゃない。
例え買い手が不幸になろうと、どうあっても自分の会社を守りたいクズ共と、それは人間のすることじゃないと反発し、人としての尊厳を守ろうとする人が対立する。
いやーでも難しい、、、
会社の利益(=自分の)を守ろうとする人をクズと言ってしまったが、でも、明日から路頭に迷うと思ったらどうしていいかわかんないかも、、、
もう、自分ならあらゆる決断を投げ出して逃げたいw
と、そんな風に金融崩壊を目前にした関係者の気分を味わってちょっとぞっとするのはなかなかに貴重で面白い体験でした。
ケビン・スペイシーすっかりおっちゃんになっちゃったけど、やっぱ雰囲気あるねー。
総評:☆☆☆
物語:☆☆☆☆
演出:☆☆☆
映像:☆☆☆
音楽:☆☆☆
役者:☆☆☆☆
<ジャンル>
社会派サスペンスドラマ
つーかほとんど実話じゃないかくらいの
<お奨めの気分>
社会人として自分の倫理観を試してみるにはもってこい