一旦忙しくなって空けちゃうと放置になっちゃうんだよね。
ここ最近は活字の方へ行ってましたが、
さすがに3月一本もなしは寂しすぎるか?と思い直し駆け込みで1本だけ。
極力気楽に観られて、でもコメディみたいに笑いたいって感じでもなかったんでこの作品を選択。
そういう意味では正解だった。
妻が事故で昏睡状態になったことをキッカケに家族のあり方を見直しましょうなんてさ、どこででも聞いたことありそうなテーマなんだけど、
この映画はハワイが舞台なんだよね。
そんで、それがすごく良い方に作用してるって感じ。
家族のゴタゴタっていうテーマがハワイののんびりした雰囲気とミスマッチしてんの。
音楽も全部ハワイアン風の音楽で統一されててさ、心地よいのよね、なんだか。
この映画で良かったなぁって思うのは、結構ヘビーなテーマ扱ってるのに重苦しくないこと、ガッツリ重いのも実は好きだけど、今の気分じゃなかったし、こう言うタッチも成立するのねぇって感じだったの。
前述通りハワイの雰囲気と音楽も一役かってるんだけど、それ以外でもお父ちゃん(ジョージ・クルーニー)と娘たちの関係とかやり取りがそう思わせてんだろうなぁ。
↓ネタバレ
だってまず、しょっぱな奥さん事故で入院でしょ。
しかも昏睡状態。
それだけでも、このファミリーにとっては大事件なのに更に、その昏睡状態の妻が実は浮気をしていて離婚まで考えていたって事が発覚しちゃうわけ。
すごいよねw
昏睡状態の嫁に向かって罵声を浴びせるってw
そうそうないだろうけど、別に奇跡的な程稀有なことではないと思わせる設定がうまい具合にバランスとってんだなぁ。
挙句の果てに長女と一緒になって浮気相手探しですよw
嫁が死ぬかもしれないって時に、、、と、思うかもしれない。
けどね、不思議とこの作業によって冷え切っていた娘との関係にある種の運命共同体的な意識が芽生えて連帯感が出てくるんだよね。
残されてしまう者達が、残されてしまう者同士の間で何ができるんだろうか、きっとそれこそ一番優先されるべきことだったろうと感じたし、アホくさとか、不謹慎とは思えなかったんだ。
後、あからさまにバカっぽい長女の彼氏もいい味だしてたな。
ああいうキャラが出てきたら、きっと不謹慎な事やらかし放題で、結局長女にも呆れられて、縁を切るわってなって「ごめんね、パパの言うとおりだった」「わかればいいんだ、よしよし」みたいになるのかと思ったんだけど、ところがどっこいだ。
実は、つい最近この彼氏も母を事故で亡くしていて、そのことを偶々話の流れで聞くことになった父ちゃんと、ここでもまた不思議な共有と互への思いやりみたいのが芽生えるのね。
この時にこの彼氏が父ちゃんの事褒めるんだけど、普段空気も読まず不謹慎な発言し放題な彼だからこそ、その褒め言葉が効いてくるんだなぁ。
本気で言ってんだなぁと。
失礼なヤツではあるが、嘘はないのだと思える土台があってこその効果だよね。
全体的に流れが自然でよかったと思った。
この映画ではミラクルは起きないんだよ。
最後の最後に妻が奇跡的に昏睡状態から回復して、家族全員でやり直す。
なんていうおあつらえ向きな展開じゃない所が好きだった。
下手にドラマチックにしすぎると嘘くさい、、、っていう方向に行ってしまいそうだし、抜けてる展開も含めて、大事にも関わらず常時緩やかで特別じゃないと思わせる演出が好きだったのかな。
最後に一緒にアイス食べてるシーンいいよね。
特別なこともなく、ただ家族でテレビ見ながらアイス食べてるだけなんだけど、
あ、この家族にもやっと阿吽の呼吸が生まれたんだなって感じで微笑ましいというかホッとしたわ。
総評:☆☆☆(3.8くらい)
物語:☆☆☆
演出:☆☆☆☆
映像:☆☆☆
音楽:☆☆☆☆
役者:☆☆☆☆
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ジョージ・クルーニー
出演:アマラ・ミラー
出演:シャイリーン・ウッドリー
<ジャンル>
ベースはファミリードラマだけど、感動一本槍じゃなくてちょっとだけ抜けてる感じ(コメディまではいかないけど、その温度がいい線)
<お奨めの気分>
家族のあり方について考えるというような壮大なテーマは抱えていないように思ったけど、
なんとなく柔らかい気持ちになれる