ひと昔映画日記

素人の映画雑食日記 それこそ我が映画道

崖っぷちの男(2012)

シチュエーションスリラーとかの類ですかね。

高層ビルから飛び降りようとしている男とその交渉にあたる女刑事とのやり取りがメインですが、そう単純なものでもなく、実はこの男ホントは死ぬ気なんてないんですよね。

 

ある目的の為に自殺をしようとしている人を演じているわけです。

 

途中までグイグイ来ますね、これからどうなるんだろう?

何がどう繋がってるんだろう?ワクワクって感じです。

頼りなさげな弟と彼女はなかなか可愛いコンビです。

 

しかし後始末が若干雑なのと、結末まで行くともうちょっと設定は練って欲しいなぁと思う部分があったりします。

後、心理描写が少ない為に感情移入できるタイプの映画ではなかったかなとは思います。

結局主人公自体がどんな人物なのかというのもよくわからなかったよねw

そういうのが無いとどうしたって、ただ状況を眺めるというかそれを単純に楽しむだけになっちゃうので、たとえ面白かったとしても浅くはなっちゃうんだろうな。

それでも、掴みからラスト直前までがっちり引っ張ってくれる展開はなかなかにあっぱれです。

 

 

↓ネタバレ

 

無実の罪で2年間服役していた元刑事の男が主人公。

アバターの人らしい。覚えてないけど。

元相棒の黒人刑事が彼が投獄された後何かと彼の弟の面倒見てくれたりと世話してくれている。

ある時彼の父がもう先が長くないというニュースをもって彼の元に元相棒が訪れる。

よく知らないが服役中でも親の葬式とかには監視付きで参列できるらしくて(条件はあるんだろうけど)その手続きを元相棒がやってくれることになる。

 

程なくして父親が亡くなり葬式の列で弟と再開する事になるが、そこで喧嘩になりその騒ぎの隙をついて逃亡してしまう主人公。

そこからあるホテルに移動して、飛び降りようとする。

最初はさ、無実の罪を訴える為に(為だけに?)やってるパフォーマンスかなって思うんだけど、実はこれが前述通り裏があるってわけ。

なかなか複雑で面白いのは無実の罪であることは確かで、それを訴えてること自体もまんざら嘘じゃないんだけど、ただそれを訴えるだけじゃまたもみ消されて終わりになるだろう事も読んでいて、自分を騙した張本人から動かぬ証拠をその間に奪おうっていうのが真の目的なのね。

自分はパフォーマンス最中だから当然裏では動けない。

そこで、頼りなさげな弟とエキゾチックな弟の彼女の出番なんだな。

喧嘩も芝居だったのだね。

パフォーマンスをやらかすホテルも偶然じゃなく標的の近くで騒ぎを起こして注目を自分に集め、その間に弟たちが動きやすくするための芝居だったと。

そこからお兄ちゃんの時間稼ぎ大作戦が始まる。

それに利用される形になるが最終的に真実を導く協力者にもなる交渉人の女性とのやり取りが一応メインになっている。

なかなか面白い駆け引きが見られます。

 

まぁ、細かいこと言うと色々あるよ。

最終的にオヤジが生きてるってw

オヤジの葬式はなんだったんだ?どういう手を使ってニセの葬式で許可をとるんだろうか、、

相棒もなんだか中途半端だったよね、行動自体が理解不能とは言わないけれども、彼もまた内面を伺う描写が少なすぎて突然なんなのよくらいの印象になっちゃってもったいないわ。

 

もう後30分長くても良いので深くしてもらえたらもっとよかったなー

でも、そういうの抜きにして展開のスリリングさを味わいたいって感じなら楽しめるだろうと思うわ。

後、最後はアメリカお得意の爽やか系での〆になるので、そういうのがお好きな人には持って来いかもね。

 

総評:★★★

物語:★★★(前、中盤4の最後が2って感じ)

演出:★★★

映像:★★★

音楽:★★★

役者:★★★

 

<ジャンル>

クライムスリラー(ミステリーもちょこっと)

 

<お奨めの気分>

気軽にクライムスリラーを楽しみたい時

非常に入りやすくて飽きない展開だし、最終的には爽やか系なので軽く見るのにはかなり良い。