アメリカの歴史に明るくないなら予習してから望むべし(失敗した、、)
例えば日本人が関ヶ原の戦いとか概要くらいは知ってるの別に普通じゃんって感じくらい、アメリカの人は知ってて当たり前と思われる部分は一切合切省かれてきます。
この話は、リンカーンがある法案の可決に向けて動き出すところからスタートします。
しかもセリフも多く政治的な内容で、登場人物も多い。
字幕読まないと内容が理解できない人にとってはこの上なく攻略の難しい映画だと思われます。
しかも長いよw
というわけで、いきなり置いていかれる可能性がある。
覚悟の上十分気合を入れて観るべし。
(なんとか食らいついたけど前知識が殆どなかったので脳みそフル回転でかなり負担でした)
①リンカーンそのものに関する知識
政治的な手腕についても軽く触れておくといい
②南北戦争及び黒人奴隷制度に関する知識
リンカーンといえば奴隷解放&南北戦争です。
前述通り話は戦争、奴隷制度どちらも只中からのスタートで前置きがないので前景は掴んでおくとよろしい
上記2点は結構必須かなと思った。
更にもっとこの映画を楽しむために。
ダニエル・デイ=ルイスが至上初となる3度目のアカデミー主演男優を取った作品ですから当然一番の期待は彼の演技かと思われる。
そうなるとやっぱ、彼の演技をより楽しむために過去の出演作品も少しは事前に押さえておくのがベストかなと。
自分は後付けだけどジム・シェリダンのマイ・レフト・フットを久しぶりに観直した。(初めてのアカデミー主演男優を受賞した作品)
そちらの感想は次回。
さて、今やもう映画俳優の中じゃトップオブトップのダニエルです。
宣伝観た時点でこりゃすごそうだなと期待に胸躍らせておりました。
幾らリンカーンについてあんまり知らないとは言っても顔くらい似顔絵とかで観た事ありますからわかります。
まず、見た目そっくりw
そしてね、驚いたのはなんというのかな、所作っていうの?
そういうのがすごく、ぐっときたんだよね。
当たり前だが本物が動いてるところなんて観た事ないのに、それっぽく見えるんだよね~立ち居振る舞いが。
きっと彼に関する資料やら逸話を叩き込んで作り上げてきたんだろうなぁ。
最も感銘を受けたのは、大統領という職務における心労の部分が見事に表現されているなぁというところ、苦労の連続なんですよね、お疲れです。と声をかけたくなる。
非常に穏やかな物腰の中に秘めたる情熱というのを見事に演じきってくれたのだろうと思います。
(本物のリンカーンがどういう人なのか知らないのでその判断ができない自分が悲しいw、勉強しよ、、)
もう彼の演技は偉人レベルですね。
これ以上何も言うまいよ。
↓ネタバレ
内容の方はデフォルメされてる部分もあるでしょうけどほぼ史実と思われます。
(本物の歴史をきちんと把握してないので細かいところはわかりませんがw)
冒頭に記載した通り、ある法案(黒人奴隷解放制度に関する修正法案)を可決に導くまでの苦悩や家族との関わり通して、政治家としての彼と人間としての彼を両方から掘り下げていく様な作りになっています。
政治家である前に夫であり父である。そんなリンカーンの姿がほんとかどうかは別として、丁寧に描かれている為、偉大な政治家との距離感が少し縮まったような気にさせられるのですね、息子にビンタしたり、奥さんと激しく夫婦喧嘩したり。
(奥さんはサリー・フィールドです。怖い奥さんですw)
どんだけ偉大だって言ったって神や佛じゃあるまいしってやつね。
ただ、映画を観た後で知ったのですが、これだけ黒人奴隷解放に全霊を尽くしたような人が実は、インディアンに対してはかなり強烈な差別意識を持っていた。
という事を知り、複雑な気持ちになりました。
人は皆平等って言ってなかった?って感じで拍子抜けです。
まぁでも、黒人奴隷制度なんてものがそのまま残っていて良かったとは今の自分には思えないので(そもそもそういう社会環境下に置かれてないので蚊帳の外なのかもしれないけど)、そのことだけとっても、アメリカだけではなく世界を変えた人なのだろうとは思います。
映画としてというよりは歴史の一端を知って損はないというところでの観る価値を感じる映画だったかなと。
映画としてとなると、あの内容であの演出は見る人に優しくはないw
というところでちょっとマイナス。
総評:☆☆☆
物語:☆☆☆
演出:☆☆
映像:☆☆☆
音楽:☆☆☆
役者:☆☆☆☆(ダニエルはもちろん5)
出演者
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
ティム・ブレイク・ネルソン
デヴィッド・ストラザーン
<ジャンル>
ほぼノンフィクション、だけど伝記というほど彼の人生そのものを取り上げてるわけじゃない。
<お奨めの気分>
お勉強&ダニエルの演技目当ての何れかかな
気合はめちゃくちゃ必要なので疲れてる時はNG