“喜劇の神様”と称された斎藤寅次郎監督が、主演の美空ひばりのほか、花菱アチャコ、榎本健一ら豪華喜劇人を迎えて贈る人情喜劇。母を亡くした少女が、紆余曲折の果てに実の父の下へ戻る過程を、ひばりの熱唱と共に描く。 (詳細はこちら)
プレスリーの映画なんかと同じで歌ありきの映画という事なんでしょうが、
思ったより芝居でしたね。
もっとミュージカル映画の様に歌のゴリ押しなんじゃないかと、観る前は想像していたのですが、案外芝居部分が中心で歌はアクセントという感じです。
それでもやはり、彼女の歌う場面が見せ場であることには違いないでしょう。
ひばりさんの歌は今聴いても、聴けますよね。
つまり、サイコーってほどには(申し訳ないけど)ならないんですが、途中で止めたくなるようなつまらなさは無いという感じでして。
未だにアレンジされていろんな人が彼女の歌をカバーし続けているのがわかりますよね。
ストーリーは超展開的なものです。
まともに見てしまうと、周りの大人の判断力がイカレているようにしか思えないので、話には付き合わない方向で。
そもそも楽しむためでなく歴史の一旦として知っておきたくて観ているわけなので、その目的から言うと問題はない。
少しだけ内容について。
実の父親の元に戻りたくない為に、男の子になりすますという設定なので少女でありながら少年のような振る舞いもしないといけない訳ですね。
まず、美空ひばりさんは多分当時の子役的な位置づけとしては結構達者な方なんじゃないかと想像されます。
ただ、その達者さが妙に大人びていてまずい印象を受けます。
男の子に扮装しているので、そこが気になってくるとちょっとムズムズしてきちゃいますよね。
(もっと、シリアスな話ならOKなのかもしれない)
齢13にして少しおばさんがはいってる感じすらしてしまいました。
芝居はともかく歌っている時のオーラと自身に満ちた表情はさすがですね。
あんだけの肝ですもの、年相応に振舞えという方が難しいのかもしれない。
それからもうひとつ、子供を置き去りにしようとするシーン、結構本気でドン引きするレベルなので無い方がありがたかった。
今でいう大泉洋のような、味があるというか、華はないのに欠かせない感じがありますよね。
総評:★★
物語:★
演出:★★
映像:★★
音楽:★★★
役者:★★
<ジャンル>
<オススメ>
ひばりさんのファンなら必見でしょうし、50年代に懐かしさがある方ならそれもまた一興。
それ程歌うシーンは多くないので、それを期待する場合はあまりオススメできません。
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