先日黒部ダムに行きました。あそこに行くとやっぱりこの映画観てみたくなるよね。
2部構成で三時間強。
かなり長い、大丈夫かなーと。
心配だったけど、意外とすんなり観られました。
あの時代に黒部にダムを作ろうなんて、ほとんど無謀に近い計画をやり遂げたのですから、凄まじいガッツと執念です。
作品自体は黒部ダムの建設というより破砕帯突破の話になります。
大の大人が吹っ飛ばされる程の強烈な勢いの出水と土砂に阻まれ僅か80m程の距離を掘るのに7ヶ月を費やす事になります。
収録時間:196分
レンタル開始日:2013-03-20
Story昭和30年代当時不可能と言われた
黒部ダム建設に命を懸けた男たちのドラマをかつてないスケールで映画化。トンネル掘りに対する父の強硬さに反抗した岩岡は、家を出て設計技師となるが…。
石原裕次郎、
三船敏郎、
二谷英明ほか豪華俳優陣が共演。 (
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作品の中で関西電力の社長が言ってました「できるとわかってることをやるのは事業のうちに入らない、勝算7割で勇断を持って実行するのが本当の事業だ」って。
実際やってみたら、それ以上の綱渡りで肝を冷やしたことだろうけど。
そんな命懸けの物語を再現することも、また勇断が必要なプロジェクトだったことでしょう。
制作サイドとしては色々なものを背負い失敗が許されないというところで、プロットは無難な印象が否めなかったです。
記録映画的なものでもあるので、当然っちゃ当然ですけど。
それだけだと味気ないので、家族愛や恋愛もバランスよくきりばめときますかー的なものも見え隠れしてます。
宇野重吉&寺尾聰のリアル親子共演のシーンはいるのか?
と思わなくもないのですが、それも制作側の大人の事情なのかな。
宇野さんの演技は良いですけど、その辺を削って時間を短くした方が映画としてはスッキリしそうではあります。
映像は圧巻ですよ。
今のように危険なシーンはCGで!とはいかないので、撮影自体も本当の危険を冒して作られています。
そういった本物の迫力っていうのはやっぱりすごくって、CGでは足元にも及ばないものだと思いました。
ラストの黒部ダムや周りを取り囲む山々の風景なども美しくて良かったです。
もちろん風景という点では、実際に本物を見たときの方が感動的でしたけどね。
但し、冒頭のシーンで人が崖から落ちるところだけは例外です、、、
あれはね、人形なのがバレバレ過ぎて、今見るとどうしても、もうちょっとどうにかできないものかね、と思ってしまうのですが。
でも、それ以外はリアルさを徹底して追求した作りになっていて迫力満点ですね。
普通に作業するのも大変だろうけど、あんな水浸しの危ない場所でよくもまぁカメラ撮影などできたものだと。
裕次郎はさておき、三船敏郎はすごいねー
おっさんなのに、背筋がシュッとしてて見栄えがするし、存在感が際立っている。
威風堂々ってやつですね。
相当カッコイイです。
ラストにとてもおめでたい出来事ととても悲しい出来事が同時に起こるところはなんとも日本的な感じのシーンですが、その際の彼の演技は流石でした。
裕次郎は存在感自体はあると思うのですが、台詞まわしがなんというか、何をやっても裕次郎にしかならない感じで、サラリーマンとは思えないという点で若干雰囲気を壊してる感があった気がします。
演技もそんなに上手とは思えなかったし、彼はやっぱりお山の大将的な役をやるのが合っている感じがしてしまった。
まーでも、この作品でもぶっちゃけ美味しいところはほとんど裕次郎さんのものなので、ある意味お山の大将的ではありましたけど。
最後の貫通独り占めはないだろ、、、逆に引くわ。
音の使い方も結構凝っていて、水の流れる音にかき消されて聞こえないところを、表情や動きだけで表現することで緊張感を作ったり、鹿威しや蝉の鳴き声などを作品にメリハリを持たせる為にうまく利用していると思いました。
ただ、「音楽」という点ではちょっと微妙。
バリエーションも一辺倒だし、映像のスペクタクルに追いつけてない。
映像と三船氏の演技は観て損はないと思います。
でも、ヘルメットに酒を入れるのはやめてほしいw
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<オススメ>
・三船敏郎万歳な人
・三船敏郎とかよく知らないんだけど、どんな感じかちょっと興味あるって人
・カッコイイおっさんの演技が観たい人
・CGじゃない、本物の迫力ある映像を堪能したい人
・破砕帯って何?っていう人
・黒部ダム行こうかな、とか行ってきたって人
・命を懸けて働くってどんな感じだろうって人
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