デヴィッド・フィンチャー監督。セブンの人だね。
『ファイト・クラブ』のデビッド・フィンチャー監督とブラッド・ピットが再びタッグを組んで贈る感動巨編。80歳でこの世に生まれ、日に日に若返っていく男が辿る数奇な運命を描く。青年から老人役までを演じたブラッド・ピットの特殊メイクが話題に。 (詳細はこちら)
80歳のお年寄りとして生まれ、年月を経るごとに肉体が若返る男の生涯という完全にファンタジックな設定。
にもかかわらず、人の生涯とそこに馳せる思いがよく描かれていると思った。
だって、そうじゃない。
普通にその設定だけ聞いたら、夢物語か?
と思う。
だから、ファンタジーという先入観が植えつけられるんだけど、実際視聴してみると不思議なことに、不可思議な設定であることに対する違和感をあんま感じないの。
あるはずもないのに、彼の経験する生涯をまるで伝記映画でも観るかのごとく自然に受け入れてしまう。
この辺はうまいな~。
デヴィッド・フィンチャーの腕前でしょうか。
数時間の中に人一人の生涯をお腹いっぱいになる程たっぷりと感じさせてくれる。
幼馴染の女性と結ばれる迄の過程が、いやお見事。
(ヒロイン役のケイト・ブランシェットは個人的にいまいち魅力を感じなかったのだけど、、)
年齢は殆ど同じなのに、二人の肉体の年齢が同年代として重なるのは生涯のうちのほんの僅かな時間だけ。
待ち望んだ生涯でたった一度の僅かな時間はその一瞬一瞬が輝きに満ちた幸せな時間であると共に今後はもう二度と重なることはなく離れていく一方なのだという不安や悲しみが混在する複雑な心の機微がとても良く伝わってきた。
今が最高なのだと知ることは、幸せであると同時に絶望でもある。
それでも、何度も戸惑いやすれ違いを繰り返し、生涯をかけて関わり合う様が感慨深いし、とても良く表現されていたと思ったわ。
過ぎた時間は戻らないのだということを普通の人よりずっと強く認識すればこそ、その一瞬を大切にできるのかも知れないなぁ。。
逆行してなくても本当はそうでありたいと思うよね。
だけど、今日という日はもう二度と来ないということを毎日意識しながら生きるというのはなかなかできるもんじゃない。
それでも、この映画を観た事で良い機会を授かったのだと思える。
それから、セブンの時もそうだったけど、絵が綺麗ね~
私はこの人の絵、好きだなぁ。
こういう哀愁漂う切なげな絵はとても好きだから、引き込まれてしまったわ。
暗くて嫌いって人もいるみたいだけど。
実はまだ見てないんだけどファイト・クラブも鑑賞するのがすごく楽しみになった。
ケイトは演技派で知られる良い女優さんなんだろうけど、好みの問題ね。
どうも生理的に受け付け難いので、役者(配役)の点でちょいマイナス~
けど、ストーリーやプロット、演出映像はさいこーよ。
いい映画だった。
いい映画ってやっぱり作り手の映画に対する思いの大きさも感じるものだよね。
総評:☆☆☆☆(5に近い)
物語:☆☆☆☆
演出:☆☆☆☆☆
映像:☆☆☆☆☆
音楽:☆☆☆
役者:☆☆☆
<ジャンル>
ファンタジー人生
<お奨めの気分>
人間関係でトラブルや落ち込むようなことがあったら、是非とも観たい映画です。 自分の悩みが如何に小さきことかを知り、感謝の気持ちを蘇らせてくれるだろうと思える。