ひと昔映画日記

素人の映画雑食日記 それこそ我が映画道

ココシリ(2004)

加工されていない本物の自然の美しさと厳しさに心を奪われた

 
監督:ルー・チューアン
出演者:デュオ・ブジエ、 チャン・レイ、 キィ・リャン、 チャオ・シュエジェン
収録時間:89分
 

 

Story
『ミッシング・ガン』のルー・チューアン監督が、中国でセンセーションを巻き起こした実話を映画化した衝撃作。チベットの峻厳な大自然を舞台に、チベットカモシカを狙う密猟組織とマウンテンパトロール隊員たちとの命を賭けた壮絶な闘いを描く。 (詳細はこちら

あらすじに実話を映画化したって書いてありますが、この辺はあんまり追求してもしょうがないので、着想を得ているくらいの温度で受け止めて視聴しました。

 

山岳警備隊とは言っても私設なんです。

全員がボランティアでやってるんです。

そして、北京からやってきたジャーナリストが今回の出動に随伴する事になります。

 

冒頭でその設定を知って、軽いものを想像してしまったのですが、実際は大間違い。

命懸けなんですよ。

日帰りで交代で見張りとかしてんのかな?

くらいで思ってましたが、密猟者の足跡が見つかれば何日かかろうと捕まえるまで追い続けるというような、長丁場で過酷なものだったのです。

その間、密猟者との対峙だけではなく、飢え、寒さ、移動手段、その他諸々、危険な要素があまりにも多すぎます。

 

もう、常軌を逸してるでしょう。

そりゃ、お手軽ボランティアならやらない事もないですよね。

けど、命懸けのボランティアとなったらどうですか。

尋常じゃないでしょう。

よっぽどの事でもない限りそんなのできないよって思う。

 

何故、そこまでして。。。

っていう背景の裏打ちは弱いというよりほぼありませんw

ご自由に想像してくださいって事ですかね。

心得た。

とは言いつつ、結局それが無いと感情移入が難しいのは事実です。

ひたすら厳しい自然と、厳しい生活、厳しい現実を叩きつけられます。

やり切れない気持ちが加速度的に募っていく。

そういう作品です。

不思議ですね、登場人物の誰かに感情移入するわけではないのに、揺さぶられるなんて。

 

チベットの秘境ココシリでチベットカモシカを密猟から守るために彼らは命を賭けて密猟者を追います。

一度離れたらもう二度と仲間とは会えないかもしれない。

常にそんな危険を孕んでいるからでしょうか。

彼らは再会をこれでもかと言うほど大げさなくらいに喜び、別れはひと時でも永遠の別れのように惜しみます。

ジャケットの絵はちょうど別れのシーンですね。

また会おう、気をつけるんだぞ。

 

そして、本当にたくさんの人が死んでゆきます。

仲間も、犯罪者も様々な理由で。

人の死がまるで、日常の風景の様に切り取られる様は圧巻です。

だからこそ畏怖を感じずにはいられません。

 

音楽も繊細で良いですね。

厳しさも含めた自然の風景も本当に美しいです。

砂漠のように何もないところから見上げる満天の星空はどれほど美しいのでしょうか。

映像でも感慨深いですが、本当の美しさは実際に見た人にしかわからないのでしょうね。

 

 

何よりも特筆すべきは、この作品に対する執念のようなものです。

作り手の、ですね。

あの映像を撮る為にどれだけの苦労と危険があった事だろうか。

標高5000mです。

ジッとしてるだけでもしんどそうな厳しい条件の土地へ実際に行って撮影しているわけですから、下手な小細工なんて逆効果ですよね。

手を加えていない事が、この作品の良さを引き出しているのでしょうし、圧倒的なリアリティを実現させているのだと思います。

(ストーリーのリアルさは別の話)

 

惜しむらくは、女性と男性のキャラに差が有り過ぎる事です。

男性たちは秘境に住んでいる雰囲気がありました(一部カッコよすぎるけど)が、女性は都会から連れてきたような感じで、どう見ても秘境に住んでる人じゃないでしょう?ってのが不自然でしたー。

せっかくのリアリティを壊してる感じで残念だったなぁ。

 

けど、それを差し引いても色んな視点から、見るべき価値の高い映画だと思いました。

 

 

↓ネタバレ

地主や資産家じゃあるまし、ボランティアだけで食べて行ける訳ないでしょう?

実際のところは密猟者から奪った毛皮を一部売って生計を立てているのですね。

勿論、売りさばく事だけでも犯罪です。

そういう矛盾を抱えながら、善と悪の境界をゆらゆらと彷徨っているような、ここでもまた、やるせない思いを植えつけられるのです。

もし、自分があのジャーナリストの立場だったら?

彼らに何か言ってあげられる事、アドバイスできる事なんてあるだろうか。

自分の非力さと軽率さを恥じる以外に出来る事などなかった気がする。

(戻った後は彼もひと仕事したけどね。まぁ、それ程の経験をしたものね)

 

そして、流砂(蟻地獄のようなやつ)に人が飲み込まれていくシーンはかなりショッキングでした。

普段は映画に集中して静かに見るのが自分の流儀ですが、思わず声を上げてしまいました。

余韻と静けさが相乗効果になっていて、一層恐ろしい感じがしました。

うまいですね。

この監督さん知りませんでしたけど。

※余談:あんなのホントにあったら恐ろしいな、と思い調べたところ、流砂の比重は高いので人間は浮く、もしくは一定以上は沈まないのが普通らしい。なのでゆっくり慎重に動けば大概は脱出できるのだそうだよ。

 

 

 

総評:☆☆☆
物語:☆☆☆
演出:☆☆
映像:☆☆☆
音響:☆☆☆
役者:☆☆☆☆

 

<ジャンル>

人間ドラマですけど、実話などの経緯も加味して、社会派に振りました

若干畑違いな気もしたんだけど、男たちの骨太で硬派な姿はやっぱハードボイルドだわって事で入れときました。

 

<オススメ>

 社会や善悪についてなどのメッセージ性が強い作品が好きな人はどうぞ。

娯楽性は皆無なので娯楽映画しか観ない人は観てはいけない。

 

NECK ネック (2010)

ホラーの皮を被った瑣末なコメディでした

 

 
監督:白川士
収録時間:96分
 

 

Story
舞城王太郎の原案を、相武紗季溝端淳平栗山千明平岡祐太主演で映画化したホラーコメディ。大学院生・真山杉奈が研究する“ネック理論”の検証に巻き込まれた大学生・首藤友和、ホラー作家・越前魔太郎、美人編集者・赤坂英子のドタバタを描く。 (詳細はこちら

じゃんじゃかHuluですよー

 

 相武紗季がビジュアル的に可愛いのはわかりますし、ナンセンスものとしての目の付け所も嫌いではないのですが、登場人物の殆どが演技下手過ぎw

特に相武紗季は見ていられない。

 

内容はホラーの研究をしてるという設定なので一応ホラーも加えますが、実質はほぼコメディです。

 

こういうのって演じるの難しそうだなって思います。

ハードルは高いと思うけど、やるって決めたならもうちょっとなんとかして欲しかった気がしちゃいます。

どうもね、演技見てても気合を感じないのですよ。

どこかこう、恥ずかしいとか思ってるんじゃないのだろうか?っていうね。

鼻についちゃったの。ゴメンネ。

溝端淳平の演技も微妙だよね。

あれ、演技っていうか別にあんまり演じてないし、それであのレベルかぁ。。。みたいなね。

細川茂樹の半端な動きとヒーローぶりはむしろありかな。

意図してるのかは不明だけどあの中途半端感で良いような気がしました。

 

それでも栗山千明は好きだからオマケしときます。

 

アデル ファラオと復活の秘薬 (2010)

方向性が不明過ぎて観てるこっちが困惑するわ

 
出演者:ルイーズ・ブルゴワン、 マチュー・アマルリック、 ジル・ルルーシュ、 ジャン=ポール・ルーヴ
収録時間:107分
 

 

Story
リュック・ベッソン監督が手掛けたアクションアドベンチャー。最愛の妹の命を救うため、ジャーナリストのアデルは古代エジプト最高の秘宝とされる“復活の秘薬”を探していた。一方、パリではジュラ紀の化石から翼竜が孵化する事件が起こっており…。PG12 (詳細はこちら

アクションアドベンチャーって書いてあるんだけど正直どのジャンルに属すのか不明な作品です。

言うほどアクションがない

アドベンチャーも最初にちょっとだけ

しいて言うならコメディなのじゃなかろうかという感じです。

が、そんなに笑えないというw

ね、致命的。

2010年の作品とは思えない。

ノリが古いのだよ、、、せっかく築き上げてきたものがあるのに自分であんまりぶち壊さない方がいいよ。っておこがましくも言ってあげたい。

 

この映画をアクションアドベンチャーで売り込むなんて詐欺まがいなレベルだと思いますね。

 

 

主役の女優さんは新人らしいけど、この人はとても魅力的でした。

聡明で行動力があり好奇心旺盛で、おてんば。

ぴったりのはまり役だと思います。

(ヒロインの人物像としてはこれまたベタだけれどもw)

 

この映画の見所は逆に言うとそれしかないという感じですなぁ。

 

最近のベッソンが関わる映画は失笑するしか無いような映画ばかりというイメージだよね。

レオンが売れすぎてどっかおかしくなかったか、調子こいて本性顕になったか、なんなんでしょーか

 

総評:★★
物語:
演出:★
映像:★★
音響:★★★
役者:★★★

<ジャンル>

いやぁ、わからない

 

<お奨め>

 

戦慄迷宮 (2009)

わお~。久しぶりに驚愕するほどつまらない作品と出会った

 
監督:清水崇
収録時間:95分
 

 

Story
呪怨」シリーズの清水崇監督が、富士急ハイランドの人気アトラクションを原案に、柳楽優弥主演で映画化したホラー。行方不明だった少女・ユキを戸惑いながらも迎え入れるケン、モトキ、リン、ミユの4人。ある日、ユキが発作で倒れてしまい…。 (詳細はこちら

どんどんHuluで。

富士急ハイランドに実際にあるアトラクションの内容を映画化したみたいな作品らしいですね。

富士急ハイランドとか行ったことないから知らないのですが。

 

開始20分程でギブ、よく耐えた方だと思う。

 

ホラーなのに怖い予感が全然しない。

演出もあざと過ぎてうんざりする。

一部の役者の演技がギャグにしか見えない。

(こうなるともう全くダメだよねw)

違う意味で背筋が寒くなった。

 

元は3Dみたいなので平面だからなのかもしれないけど。。

否、そんなことはない、3Dでも多分面白くない。

 

この手の映画はレンタルなら絶対しないなぁと思いつつ、Huluなら関係ないしちょっと見てみるかって事なんだけど、予測的中しすぎ、、、

空中庭園 (2005)

小泉今日子の演技が素晴らしい~

 
監督:豊田利晃
出演者:小泉今日子板尾創路鈴木杏、 広田雅裕
収録時間:114分
 

 

Story
直木賞作家・角田光代の原作を小泉今日子主演で映画化したドラマ。“家族間で秘密は作らない”というルールを定め、一見幸せに暮らす京橋家。だが、夫の愛人が息子の家庭教師として一家の前に現われたことで、次第に互いの秘密が暴かれていく。 (詳細はこちら

引き続きHuluです。

↑のあらすじちょっと読んだだけで背徳的な作品なのは想像がつきますね。

そういうのが苦手な人は見てはいけない。

若干のグロも含まれますよと。

 

まずもって、秘密を持たない家庭なんてのが無理があって最初から破綻してる印象をうけます。

家族揃った場所ではみんないい子ちゃんしてるけど、家族4人それぞれに悩みや秘密を抱えていて、最初から歯車が全く噛み合っていない状態なので、不気味さが漂っています。

映像もなかなか面白い感じでした。

音楽は邪魔にならない程度に適度にサポートしていて、悪くないです。

特筆は小泉今日子の演技ですね。

凄く良いです。

 

破壊神シヴァってのは破壊と再生の神様でしたよね?

それからもわかるように破壊と再生ってのは二つで1セットだろうと思うわけです。

何か一つ成し遂げようとしたり作り出そうとした時、失敗なしで最後まで行ける事ってそうはないですよね。

失敗するから身をもって(頭で学習するのと体験から得る学習は全然別物だと思います。なので身をもってってことが大事なのだと思うわけです。)学習するし、より強固な地盤を築くことができるわけで、最初から最後まで完璧を通そうとした時、その歪が現れるのが遅ければ遅いほど破壊のもたらすエネルギーも膨大なものになってしまう。

その先は、ね?

それでももう一度やり直そうって思えるかどうかでしょうから。

 

↓ネタバレ

お母さん(小泉今日子)の秘密は昔引きこもりで、不遇な少女時代を送ってきたことと、社会人になってその不遇の時代を隠蔽し、取り戻すかの如く自分が得られなかった絵に書いたような幸せな家庭を築くという事。

現に引きこもって高校には殆ど行っていなかったのに、生徒会長をしていたと家族に偽っている(彼女の母が存命なのだからバレない事に無理がある気がするがw)

それだけの為に、好きでもない男を自分を受け入れるであろう可能性が高いという理由だけで選ぶわけですよ。

相手や人ありきではなく、形ありきというのが彼女の目指す幸せになっていたのですね。

 

あらすじにもある通り父親の浮気相手が家庭に入り込んで来ることで、それぞれ抱えていた秘密が露見し始めるのですが、それでも途中までは見て見ぬふりでやり過ごそうと抵抗するんですね、けどいい加減それも限界になってしまってお母さんが壊れ始めるのです。

この壊れていく様の演技が非常にいいですねー。

母親に向かって「死ねば?」と凄む小泉さんは下手なホラーより怖くていいですw

母と家庭教師の為に用意したやけに大きな誕生日ケーキに山ほどロウソク立てて、全部に火を灯し、部屋の灯りを消して厳かにそのケーキを運ぶ小泉さん。

まじでヤバイですw

これから黒魔術でも始めるのかと思ってしまいました。

問題児のアイドルだった頃からは想像できない姿ですよ。

 

しかし、母と言うのは何があっても母なのですね。

娘に本気で「死ねば?」と言われても尚、彼女の誕生日に電話をしてきておめでとうって言ってあげるのです。

そして、本当に大事なことは墓場まで持っていくのだということを娘に教えてあげるのですね。

一見粗暴な不良ばばぁにしか見えませんが、ちゃんと娘を愛しているわけで、そうじゃないと思い込んでいたのは本人だけだったわけですね。

 

息子の方が意外と真理が見えていたのね。

思い込みが激しいと本当に大事なものを見失っちゃうよ、なんて生意気言ってたけど、実際彼の方がずっと大人だったわけで、ほんとは大人なはずの母親の方が幼稚で、まさに「大人なんてただの大きな子供だ」っていうセリフがぴったりハマる事になっちゃって。

切ない現実です。

 

最後に真っ白なケーキと真っ白なぬいぐるみ、そして真っ白な花(多分チューリップだと思う)が登場します。

破壊したから白を選べたのだよね、きっと。

 

総評:☆☆☆
物語:☆☆☆
演出:☆☆
映像:☆☆☆
音響:☆☆☆
役者:☆☆☆☆

<ジャンル>

家族です、そして尺が変われば人間関係です

 

<お奨め>

背徳的なのでそういうの苦手じゃない人だよね

後、ちょとだけグロもあるのでグロが嫌な人もダメだね

女優としての小泉京子が好きなら必見

この作品ではファミリーに焦点が絞られているけど根本は人間関係であるので、自分が理解されていないとか、不当な評価を受けているなんて感じてる時、そこから抜け出すヒントがあるかも

ノーボーイズ,ノークライ (2009)

見捨てられた漢と捨てたくても捨てられない漢の友情というより共鳴のような物語

 

 
出演者:妻夫木聡、 ハ・ジョンウ、 チャ・スヨン徳永えり
収録時間:114分
 

 

Story
妻夫木聡と『チェイサー』のハ・ジョンウ共演による日韓合作ドラマ。日本の闇組織のボスに密輸品を運ぶヒョングと、彼のボートを出迎える亨。ふたりはある日、“荷物”として運ばれてきた少女と出会い、行方知れずとなった彼女の父親探しを始める。 (詳細はこちら

 妻夫木聡の出ている映画を観るのは殆ど初めてくらいなんだよね。

邦画あまり観ないもんで。。

それでもなんとなく、小奇麗な役が多そうなイメージがあって実際そうだったんだろうと思うのだけど、今回はヤクザの手下のチンピラという事だからね。

 

汚いセリフや乱暴な態度等も多いです。

そういう部分での初々しさみたいなものは感じてしまいましたが、今回の役には逆にそのくらいで良かったようなところもありますかね。

意外と言っては失礼かもしれませんが、なかなか良かったです。演技。

ギャップとジレンマが上手いこと噛み合ったような。

特に前半の何考えてるのかわからない謎めいた人物の演技はいいなって思いました。

後半に入って本心が露見するようになってからは若干好青年が顔を出し始めるのでちょっとずつ怪しくなってきてましたけどw

 

韓国側からはハ・ジョンウという役者さんが同じようにチンピラ役で起用されてますが、こちらは体もでかそうですがあの横柄でふてぶてしい態度といい雰囲気ありましたね。

二人共根は善人なんだけど、そんな事言ってちゃ生きていけない。

だからそういう本心の部分に蓋して生きてるっていう設定なんだけどね。

その辺りの空気感みたいなのはジョンウさんの方が良かったなぁと思いました。

不満や不安を抱いたところでどうにもならないんだって自分に言い聞かせてやり過ごしている物悲しさみたいなものが滲み出ていた様に思います。

 

一見すると真逆の環境に置かれているようにも思える二人だけど、実際はすごく近い場所で漂っていたわけで、そういうのを少しずつ肌で感じていくような、そんな自然な関係の育み方がなんともグッと来ちゃうんだよね。

 

話の展開としては目新しいものは無いかな。

 

↓ネタバレ

ヒョングが享に向かって、もし誰か一人捨てるとしたら誰を捨てるのか?

と問いかけてその答えを聞いた時、ヒョングは自分が捨てられた理由の答えを自分の中に見つけたのではないかと思うけど、どんな気持ちなんだろうか?

嫌いだから捨てられた訳じゃないかも知れないという安堵感と、「俺だって別に強いわけじゃないんだ」っていうやるせなさもあったのじゃないだろうか。

強いと思われている人程ほんとはそんな事なかったりするものよね。

だから、ヒョングと享がごく一部でも互いに預けられる何かがあったのであれば、ほんの少しだけ救われるような気がした。

 

ヒョングがカラオケうろ覚えなのは笑った。もうちょい頑張れ。

 ほんとは大事なシーンなんだろうけどそのせいでちょと集中切らしたわw

 

総評:☆☆☆
物語:☆☆
演出:☆☆
映像:☆☆☆
音響:☆☆☆
役者:☆☆☆☆

 

<ジャンル>

ファミリーありきの友情です、漢の友情です。

プチボイルド

 

<お奨め>

漢の友情好きは見て損はない。

妻夫木くんのいつもと違う雰囲気を味わいたい人にも。

グリーン・デスティニー (2000)

前回同様Huluにて。

ライフ・オブ・パイアン・リーだし、映画賞もいっぱい獲っているので、期待してたのですが、肩透かしを喰らいました。

 
収録時間:120分
 

 

Story
マトリックス』でその技術力の高さを世界中に知らしめた、ユエン・ウーピンのワイヤーアクションが冴えるアクション大作。2000年度アカデミー賞で、最優秀外国語映画賞、最優秀撮影賞、最優秀作曲賞、最優秀美術賞の4部門を獲得した。 (詳細はこちら

◎歴代最高の映画500:497位作品

 

壮大な映像は確かに良いと思います。

けど、個人的にあの緑はちょっとやり過ぎかなぁと思いました…。

あれをやるなら、それこそライフ・オブ・パイのようにとことん幻想的な路線に走って欲しかったので何か中途半端な印象しか残りませんでした。

 

内容は「別に」なので触れませんw

まぁアクション主体だし最初から期待はしていません。

 

肝心のアクションですが、それもどうなんでしょうかね。

ワイヤーガンガン使ってて、水の上を歩いたり、直角の壁を歩いて登ったりするんですよw

あれ見て何思うのでしょうか?かっこいい?幻想的で美しい?

笑っちゃいましたよ、自分はね。

スピード感があれば或いはそれっぽく見えたかも知れないとは思うのですが、如何せん動きがゆったりなのですよw

そう、疾走するというよりほんとに歩いてるっていう印象なんだよね。

 

ワイヤーアクションってよっぽどうまくやらないとギャグにしかなんないと思うのだけど、外国の方はああいうのが好きなのでしょうかね。

テクニックが優れていたり、大変な労力を費やしたりしていたとしても結果的にそれが映画の中で良い方向に作用してなきゃ意味ないと思うし、あのアクションは自分には微妙にしか見えませんでした。

むしろワイヤー無しのアクションの方が良かったです。

中国剣術ってのは日本の刀とは違ってダンスのように華やかですね。

興味深くて見ごたえもありましたよ。

 

 

チャン・ツィイーは可愛いです。

今回はかなり好奇心旺盛でやんちゃな役どころですが、あの童顔とのギャップも良かったかなと。

チャン・チェンもカッコ良かったです。

レッド・クリフにも出ていましたけど、あの時みたいに高貴役より今回の様に粗野で粗暴なキャラの方が彼のワイルドな風貌に合っている気がしました。

 

アン・リーはかなり色んなジャンルに手を出している事で有名ですので、これも一つのチャレンジ的なものだったのでしょうか?

安全な路線に収まろうとしないその精神は尊敬します。

そしてこの10年後にライフ・オブ・パイが生まれるわけですね。

 

◎今すぐ観たい!

今はもうHuluでは配信されていない模様

Netflix:見放題

 Crouching Tiger, Hidden Dragon | Netflix

Amazonビデオ:300円~

 プライム会員は無料

 グリーン・デスティニー (字幕版)

楽天SHOWTIME:324円~

 グリーン・デスティニー 動画 | 洋画:楽天SHOWTIME(ショウタイム)

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 グリーン・デスティニー - YouTube

総評:★★
物語:★
演出:★
映像:★★★
音楽:★★★
役者:★★★

 

<ジャンル>

アクション 武侠ってやつですね

 

<オススメ>

アン・リーのチャレンジを覗いてみたい。彼の歴史を踏襲したい。そんな時に。

 

ラブ・アクシデント<未>(2002)

大人の為の緩やかで柔らかなラブストーリー

 

監督:ダン・アイアランド
収録時間:104分
レンタル開始日:2004-06-23

 

Story
『ピーターパン』のJ・アイザックス主演によるラブロマンス。マサチューセッツ州のニューベッドフォードを舞台に、10代の娘を持つ未亡人・シリアと、誰にも言えない過去を持つチャーリーとが、恋を通して人生の“2度めのチャンス”を掴んでいく。 (詳細はこちら

久しぶりです。

ここ最近読書の方に夢中で映画はすっかり放置してましたね。

その間にHuluに登録していたのだけど、BGM代わりにTV番組を流す程度の活用でしたが、ふと近々配信停止になる作品があることに気づき、お金払ってレンタルする程ではないけど見てもいいかなレベルの作品を拝見しておこうという事で再開。

 

未公開映画ですね、地味目だけど良かったです。

あんまりアメリカ映画っぽくない。(地味さも含め)

音楽もミディアムテンポなスパニッシュっぽい感じで、大人の雰囲気に嵌ってました。

 

大人の恋だけど純愛ラブロマンスです。

ドロドロした感じの内容はないので、落ち着きはあるけどサラッと視聴できます。

哀愁と郷愁とを微かに感じながら基本爽やか路線といったところ。

爽やかさを形成する1つの要因として、この作品には悪者が登場しないという事もありますかね。

 

 

母親(ソフィア・ミロス)と娘(エミー・ロッサム)が美しいです。

どちらもそんな有名な女優さんではないですが。

納得感の高い仕上がりで、逆に言うと抑揚が少ない、事件も冒険もあまりない。

ストーリーはステレオタイプだけど設定で若干オリジナリティを図っている感じかな。

けど、それは置いといて母娘の美しさを楽しみつつ、まったりほんわかするには良いですね。

  

↓ネタバレ

 

 

自分の経歴を詐称して、母親に近づくんだよね。

当然流れとしてはいずれバレる結末が待ち受けているのだろうと思いながら視聴していましたが、自分から告白してくれたのは良かった。

不意にバレて言い訳みたいな形になっちゃうのはやっぱカッコ悪いし、この作品の雰囲気そぐわないと思っていたので、一安心しちゃったかな。

ま、最初からやめとくに越したことはないが。

 

後、ダンスのシーンが素敵だったなぁ。ママのダンス魅惑的だった~

多分お祭り?だと思うけど偶然娘と出くわして、一緒に楽しく踊る姿が印象的だった。

ああいう気持ちって大事だよね。楽しむ時はめいっぱい。

とは言え、日本じゃああいうのは様にならないよなぁ。

 

南欧や南米に行く機会があったら絶対参加してみたいよね♪

 

総評:☆☆☆
物語:☆☆☆
演出:☆☆
映像:☆☆☆
音楽:☆☆☆
役者:☆☆☆☆

<ジャンル>

大人のラブロマンス&ギャンブルがちょびっと

 

<お奨めの気分>

派手なの(ハリウッドの超大作的なやつ)が好きな人には向かない。

大人の人は楽しめると思う。

ベクシル 2077日本鎖国(2007)

見たかったわけじゃないんだけど。

主演3人は俳優で、黒木メイサ松雪泰子谷原章介が声をあてている。

黒木メイサはかなりギリギリというか結構アウトw

他の二人は感情が高まった様なところ以外はそこそこ聞ける。

 

話は、近未来になんだか日本が完全鎖国するのだって。

んで、実態は全国民がアンドロイド化されて、製薬会社に命を握られているっていうね。

 現状を探るべく潜り込んだアメリカ特殊部隊の兵士ってのが黒木メイサ谷原章介が演じる役どころ、日本でレジスタンスのトップをやってるのが松雪泰子の役どころ。

 

ちょっと近い未来過ぎてどうもって感じね。

いっそ200年後位の方が受け入れできたかも。

フルCGで人の表情とか細かいところは違和感感じまくりだけど、車でのアクションシーンは結構迫力があって見ごたえがあるわ。 

 

肝心のストーリーは酷いですw

全てに置いて今の状況に至る所以が弱いというのか、他に浮かぶ選択肢があり過ぎて納得感が低いチープな展開。

面白くなりそうな題材なだけに残念な感じ。

ヴァージン・スーサイズ(2000)

今月お父ちゃんと一緒に来日するって話なんで、勝手にソフィア・コッポラ祭りをすることにした。

考えてみたら彼女の作品はまだマリーアントワネットしか観てないし、ちょうどいいきっかけ。本数も少ないから制覇しやすいしね。

 

◎レンタル

収録時間:98分

 

 

Story
キルスティン・ダンストジョシュ・ハートネットなど、若手注目俳優総出演で贈るソフィア・コッポラの監督デビュー作。70年代のアメリカを舞台に、繊細で危うさを秘めた思春期の少女たちが、次第に死に傾いてゆく様を美しい映像と共に描く。 (詳細はこちら

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血ですかね?初監督作品とは思えない程いい出来だと思いました。これ。

製作総指揮に父上の名前があるので、勘ぐっちゃうよね。

映像の様式美なんてのは正に父ちゃんの十八番だったりするんだろうけどさ、この映画もいいんだよね。

マリーアントワネットなんかも、話はイマイチな部分がありつつ絵は確かに良かった印象があって、普通に腕を上げたんだと解釈してたんだけどw

最初っからこんないい感じに撮れるんだね。

音楽もいいよね~。

選曲の話だけじゃなくて、使いどころも含めてなんだけど、しっかり刻まれてくるのにちっとも邪魔になってないの。

上手すぎるw

女性が好みそうな仕上がりという印象。

あちこちに女の子っぽさだとか繊細さが散りばめられてる感じなのね。

部屋の内装や小物、女の子たちの所作やファッションに至るまで、For Girlsって感じだなぁ~っていう。

舞台は70年代のアメリカだから、若い女の子なら現代とは違った逆に新しい刺激があるかもしれないし、それ以上の女性にはどこか懐かしいような微笑ましさを感じられるかも。

その分、男性にこの映画はどうかなぁ?と思う部分が随所にみられる。

父上の影がチラつくとはいえ、ファンションや内装などは寧ろ親父じゃ無理っぽい。

というところでそのあたりはやっぱソフィアのセンスなんでしょうな。

 

 

音楽、映像のタッチもだけど、グイグイ割って入るというより少し後ろから見守っているような印象を受ける。

 彼女はこういう繊細ななタッチを今後も持ち味としてやってくんだろうなぁと思わせる要素が、最初から全開です。

 

父ちゃんがイタリアのクォーターだからだろうと思い込んでるところがあるけど、彼女の映画もちょっとヨーロッパ映画に近い印象を受ける。

けど、アメリカを舞台にしているので、他のアメリカ映画とは一味違った風合いが楽しめる気がしていて、自分にとっては貴重な存在かもしれない。

 

さてと、前置きが長くなっちゃったけど本題行きましょう。

マリーアントワネットでも主演を演じたキルスティン・ダンストが一応姉妹の中でも中心人物かな。

彼女はハリウッド女優の中では美人さんという印象は受けないんだけど(ごめんね)、独特の存在感がありますよね。

 

(下から2番目で姉妹の中では一番やんちゃな性格。とは言ってもあくまでも比較したらの話)

女だけの5人姉妹(17歳から全部年子でw)という響きだけでなんだが見てはいけないような、後ろめたさと神秘的なものを勝手に感じてしまうわけなんだどねw

一番下の妹が自殺未遂をするところから始まる。(そのあたりの音楽もいい感じ)

一命を取り留めた後カウンセリングかな?を受けさせられている様子が映し出され、両親には躾が厳しすぎるのが原因だと伝えられるのね。

それで、取ってつけたように近所の男の子呼んでホームパーティを開くんだけど、パーティの最中に抜け出した末の妹が再び、、、今度は本当に自殺しちゃうの。

2階の窓から飛び降りてね。

末っ子っていうのは受取が多くなっちゃうから一番早く真理と結果にたどり着いてしまったのかもしれないね。

あちこちに点在するキリストや十字架がなんだか切ないわ。。。

その後、神父様が(カウンセリング的な事を担っているのかな?)様子を見に家にやってくるんだけど、その時の残された娘たちが、寄る辺なき虚ろな瞳で猫のように身を寄せ合って神父を見上げるシーンが秀逸だった。

とても悲しいシーンのはずなんだけど彼女たちの部屋の様子がカラフルでなんとも言えないミスマッチな雰囲気が絶妙なの。

 

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総評:☆☆☆☆

物語:☆☆☆☆

演出:☆☆☆☆

映像:☆☆☆☆

音楽:☆☆☆☆

役者:☆☆☆☆

 

<ジャンル>

女の子の思春期全開、姉妹ってところもちょっとポイントね

 

<オススメ>

女性(的な感性を持つ人)向け

↓ネタバレ

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