久々のアニメ映画作品です。
私はこういうの結構好き。
時代物の時点で底上げ入るのもあるけど。
「南総里見八犬伝」を新解釈して描いた桜庭一樹の小説を、宮地昌幸監督が劇場アニメ化。祖父の死をきっかけに山を下りた猟銃使いの少女・浜路は、人と犬の血を引く“伏”と呼ばれる者たちの噂を耳にする。やがて犬の面を付けた青年・信乃と出会い…。 (詳細はこちら)
独特な色彩とデザインが特徴的で、苦手な人は内容以前にそこが受け付けられない可能性はありそうね。
殿の側近の袴なんてスリム過ぎて既に袴じゃなくなってたりとか、主役の子も風変わりな鉄砲が獲物という奇抜さだもの。
いや、嫌いじゃないんだけど。
音楽も良かった。
エンディングはCharaだった、いい感じだったな。
Chara自身も主人公の友達(滝沢馬琴の孫設定)の母親(つまり滝沢馬琴の娘)役で声を当ててますが、まぁ、うまくはないんだ。
うまくないのに、なんでだろうなぁ。
深みがあるというか、あの独特の響く感じが心地よいのよ。
ストーリーはどっかで見たことあるような感じの取り立てて語ることもない様な話だけど、その分安心してみていられる安定感はある。
追う者と追われる者がそうとは知らずに出会い、心惹かれ、後に敵だと知れるみたいなね、使い古された今や古典とも言うべき設定じゃなかろうか。
だからこそ、奇抜なビジュアルが効いてる気もするしね。
時は徳川家定の時代というのだから13代将軍ですね、江戸もまぁ後半に突入してるわけです。
半人半犬の存在が江戸市中の人々の生肝を喰らいながら暗躍しているという設定で、その者たちは「伏」と呼ばれている。
その伏を狩る為に田舎の山から江戸に住む兄に呼びつけられた妹「腕の良い猟師」が
主人公の鉄砲娘。
伏捕物帳が始まるというわけだ。
滝沢馬琴の孫が出てくるくらいなので、彼の書いた南総里見八犬伝を元ネタとして派生させたような内容になっている。
映画ってのは時に、内容じゃなく観て楽しむ、聴いて楽しむそういう類のものあるんだよなぁっていういい例だったかな。
掘り下げてみて何か出るかはいいとして。
浜路と信乃の距離感はもうちょっと工夫して欲しかったところではある。
突然近距離になるので少し置いていかれるかな。
総評:★★★
物語:★★
演出:★★
映像:★★★★
音楽:★★★★
役者:★★★★
<ジャンル>
時代物奇伝
<お奨めの気分>
絵を楽しむ
当たり前な江戸の風情とは違った楽しさがある