知る人ぞ知るスパイアクション
さて、ぞくぞくと賞レース参加組のレンタルが開始されてきた。 どんどん行こう。
6代目ボンド、ダニエル・クレイグ主演による人気スパイアクションシリーズ第23弾。潜入調査の情報が記録されているハードドライブが強奪され、ボンドは敵の組織をあと一歩まで追い詰める。しかし、先に潜入していた同僚のロンソンが傷を負ってしまう。 (詳細はこちら)
もう23作品目だそうだ。
50年もやってるっていうんだからそれはすごい。
しかし、そもそも007シリーズ自体マトモに観た事がなく、テレビで放映されているのをチラ見したことがある程度、そんな自分が観てもこのボンドはちょっと違うのか?と思わせる異質さを感じる。
007ってのはもっと軟派で軽快な印象だったんだけどな?
このボンドはヘビー級って感じね、シリアス。
オープニングは結構凝ってて楽しかった。
川底に突き刺さるナイフがそのまま墓標になってみたり、アジアンテイストのモチーフが現れたりして、今回はアジア?と示唆させてみたり。
音楽は賞を取っただけあって使いどころがツボに入ってる印象。
音響編集と歌曲の2部門でアカデミーを受賞。
これだけ長く続く作品だから今までのシリーズを抑えている人とこれが初めてな人で随分思うところは違ってくるだろう。
ほぼ初めての自分としては、押しがアクションなのは観る前からわかってた事だったし、それ以外に何があるのだろうかー?
なんて思いながら拝見してみた。
敵役のシルヴァが現れた時にビリっと頭に電気が走った。
これはなんだ??
と思ってしばらくじーーっと観ていたら、思い出した!!
この人は、「ノーカントリー」で自分が過去最強に恐怖したアイツだっ(ハビエル・バルデム)。
(ノーカントリーの時とは比較にならないけど、こちらでもなかなかのキモ怖ぶり)
このシルヴァの存在感と役割が今回の作品のカラーをかなり左右してるよね。
結論からいうとアクションとサイコの間みたいなどっちつかずの印象があって、このサイコ要素が重たさを演出してるもんだから、お気楽アクションのつもりで見始めた自分には想像以上にずっしり来たなぁって感じだった。
しかし内容の方は彼のサイコっぷりをイマイチ活かしきれてない。
「サイコに人道的な根拠など無用の長物」が、持論の自分としてはあんまりそういう根拠で動いて欲しくないんだけどなぁなんてね。
全体的に構成に対して描写が追いついてないような印象なので、どうせ異色にしちゃうならいっその事もっとアクション削って人間関係や心理描写に時間を割いた方が良かったんじゃなかろうかと言う気がしてしまった。
何より「ノーカントリー」ラブな私としてはね、、どうしても比べちゃうわー。
申し訳ない。
アクションとしてはひとまず通しで派手なアクションと派手な映像が散りばめられているので、映像としての見ごたえはあるだろうと思う。
しかし、ボンドガール的な役割の女性の使い捨ては随分思い切ったなw
まぁ、元シリーズのファンってわけじゃないから良いけどw
あれは、過去のシリーズのファンからしたらつっこみたくなるところなのかもしれない。
ちなみに、劇中に登場する廃墟の島は軍艦島風だなぁと思っていたら、本当に軍艦島がモデルだった。
総評:★★
物語:★
演出:★★
映像:★★★
音楽:★★★
役者:★★★
<ジャンル>
スパイアクション(シリアス)、ちょっぴりサイコ
<お奨めの気分>
アクションだけど結構疲れる