ひと昔映画日記

素人の映画雑食日記 それこそ我が映画道

フライト(2013)

デンゼル・ワシントンのダメ人間ぶりは本気で腹立つ、つまり上手いんだな

腹立つんだよ、ほんとに。なんだこいつってね。デンゼルの演技は上手いと思うわー。

人の命を預かるパイロットがこんなふざけたやつだなんて冗談じゃないってなもんよ。

後、弁護士役のドン・チードルがいいんだなぁ。

あの人は役柄も多彩にこなせる上に、主役から脇まで幅広く存在感をその時々に見合って発揮しているようで、好きな役者。

 

収録時間:138分
レンタル開始日:2013-07-19
 
Story
ロバート・ゼメキスが12年ぶりに実写作品の監督を務めたスペクタクルドラマ。制御不能となった飛行機を緊急着陸させたウィトカー機長は、多くの乗客を救ったヒーローとして称えられる。だがある疑惑から、彼は一転して犯罪者として扱われてしまう。 (詳細はこちら

 

↓ネタバレ

映像的な見所は序盤にやってきます。

いきなり墜落するw

いや、あのシーンはまだ映画に入りきれる前に来るのでちょと慌てちゃう。

臨場感もすごいので、飛行機乗るの嫌になっちゃうよね~。

あれ見せられたら。

2時間強の映画であの時間帯に墜落シーンなのでこの先は事件後のデンゼルを取り巻くドラマってことだなとすぐわかる。

なので、航空パニック系だと思って観ると失敗しちゃう。

(自分は何も知らずに観たのでそこはどっちでも良かった)

動から一変静に切替りそのまま静かにクローズという転結かな。

 

今回のデンゼルは、腕は一流だがアル中(クスリもやる)のパイロットという役どころ。

なんか、最初っから危なっかしいのよw

フライトの最中にジュースに混ぜて酒を飲む始末、、、

なのに機体に異常が発生して、もしかしたら死ぬかもしれないってのに落ち着き払ってる。

ある意味酒のおかげなのか?

 

 犠牲者6名、不時着陸した飛行機としては多くの人が助かったと言える結果に、世間はパイロットの腕前を賞賛し、一躍ヒーローとなる。

が、一変彼がアル中だったことがここに来てアダとなる。

フライト中の飲酒なんて当然禁止事項だろうから、原因がなんだったとしてもそれがバレばどのみち刑務所送りなんですよ。

後は、事故原因にそのことが関係あるかどうかで刑期が変わるってだけの話で。

結論から言うと飛行機が墜落した事自体は機体の整備不良なので、彼が中毒者である事とは関係無いんだけど。

 

ゆらぎがくるんだね。

自分は多くの乗客の命を救った一流のパイロットだという自負と、その一方で違反とわかっている飲酒を行った(恐らく常習的に行っていたのだろうけど)という罪の意識。

思い悩むうちに余計にアル中がひどくなる日々w

アル中から立ち直ろうと努力する女性との出会い。

 

後半は、彼の飲酒を隠蔽し、ヒーローのまま事件をクローズできるかどうか?

という動きと、事故に関連した人々(彼の飲酒癖を知る人々)がこの事件をどう捉えてどのような立場で関わっていくのかという、良心と正義の間で揺れ動く心情に焦点を当てながら進んでいく。

 

個人的にはアル中っていう設定がピンと来なかったりするのよ。

今となっては酒は食事のお供であって、酒だけ摂取したい気持ちがもうわかんないからw

酒やドラッグが日本よりずっと蔓延しているアメリカならではの設定か。

だって、日本でアル中&ヤク中のパイロットが主人公ですって言われたらコメディ?とか思うくらい、ピンと来ないと思う。

ただし、己を制御するという観点で観ると誰しも身に覚えはあるところかと。

極力その部分を脳内変換して身近に感じるように調整をしつつの鑑賞となった。

 

エリートサラリーマンにありがちな(勿論事態のレベルは別格ではあるが)という印象を受けた。

パッと見、社会的な地位も高く、収入も高額且つ安定していて他人からしたら羨ましいと思われるような人達。

だけど、そういう人達って普通の人以上にきっと後ろめたいことしてきた人が多いんじゃないかと。

偏見かもしれないけど思ったりするわけね。

勿論みんなとは言わないけど。

それの究極版だよねw

だって、社会的英雄になるか刑務所送りかの二択だもの。

この映画の中では本人の意志に委ねられるところまで方向修正されてくるので、最終的には彼自身が飲酒はなかったと言い切れば多くの人を欺く事にはなるが英雄になれる。

当然刑務所にも行かなくて済む。

だけど、それを選択するとかなりの十字架を背負うよね。

この事故で亡くなった恋人でもあるCAに飲酒の罪を擦り付けて自分が助かろうって話だから。

既になくなっているとはいえ、自分の恋人を罪人扱いにしないと自分は助からないだなんてね。

 

結局彼は土壇場で、嘘をやめる。

それまで幾度となく周りを欺いてきた彼が、最後の最後でそれをやめるのね。

その最後の嘘をつき通してしまったら一生逃れられないとでも思ったかのように。

多分、そうしていたら一生アル中だろう。今よりもっとひどい、下手したら廃人になるくらいに。

元が真面目で繊細な人なのだろう。

 

 

結構面白い映画だと思うけど、自分との相性はあんまり良くは無い類だった。

前述通り主人公がアル中っていうのがどうしても同調しづらくてピンとこなくてね。

努力はしたが。

 

総評:☆☆

物語:☆☆

演出:☆☆

映像:☆☆☆

音楽:☆☆☆

役者:☆☆☆☆

 

 

<ジャンル>

ドラマサスペンス

 

<お奨めの気分>

アルコールで失敗した事がある人には感じるものが結構あるのかな

後、デンゼルの演技(但し役柄的にイラッとする人物像なので注意)